スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

人「虹の彼方のノーマン・ロックウェル」

あの9・11の翌年、
2002年夏、久しぶりにニューヨークを訪れた。
妻と次女を伴って、というよりも娘のたっての希望に応えての旅だった。
目的地は、ノーマン・ロックウェル美術館。
言うまでもなく、ノーマン・ロックウェルは世界中の人々に愛されている、
アメリカを代表する画家だ。
娘がとても幼い頃に彼の画集を見せたことがあって、以来、彼女も大ファンに
なったようだ。
高校でデザイン科を専攻したのも、そのせいだったのかも知れない。
美術館へは マンハッタンから4時間ほどのバスの旅。
家族共通の知人で、現地在住20年の日本人女性が、私たちをアテンドしてくれた。

沿道に点在する町々の美しさ、
携帯電話にまつわる中国人青年の情けない振る舞い、
それを毅然とした態度でたしなめたアメリカ人の男性、
バス停に老妻を迎えに来た老人、
バスの旅をめぐる出来事は前回に記した通りだ。

バスは一路、マサチューセッツ州、ストックブリッジへ。
私たちは、この町の由緒あるホテル、レッドライオンインの前に降り立った。
このホテルの、レトロで温かみのある、リビングルームのようなロビーで
ミュージアムへの距離を確かめ、私たちは歩きだした。

残念ながら天候は雨模様で、厚い雲が空を覆っている。
ストックブリッジの町も、通り過ぎて来た町同様、美しい。
住宅が密集するでもなく、点在するでもなく、ほどよい間隔で緑の中に建ちならんでいる。
家々の車庫や路上には、70年代のセダンをきれいにレストアしたものや、
見事な塗装が施された三輪バイクなども見受けられ、住人の感性の高さがうかがえる。
ロックウェル市街地縮小

住宅街を抜け国道へ出ると、住宅はまばらとなり、緩やかな起伏を見せる草原を
割るように、道路が真っすぐに延びていた。
行き交う車も少なく、人の姿とて無い。

30分ほど歩いて、みなが顔を見合わせた。
「おかしい、これだけ歩いても、丘の向こうに何も見えない」
沿道に小さな作業場のようなものを見つけ、道を聞いた。
そこでNY在住の女性がが、マイルとキロとを取り違えていた事に気づく。
ノーマン・ロックウェル美術館まで、この先1時間はかかるらしい。
空からはぽつりぽつりと、降るでもなく雨粒が落ちていた。

それまで、探るように、とぼとぼと歩いていた娘が、
「歩こう!」と決然と言い放った。
実は彼女は、三十歳間近のこの頃、付き合っている男性や職場の人間関係で
屈託を抱えていた
彼女とそれについて話しあったわけではないが、この旅行の背景には、そんな問題から
しばし距離をおきたいという思いがあったと私は理解している。
その彼女が、行くべき場所はわかった、あとはそこに向かって進めばよいとばかりに
道路にそってどこまでも続く牧場の白い木柵の横を、力強い足取りで、
そして導くように、妻と私の前を歩きはじめた。

雨雲は去り、青空へのつなぎ役とばかりに、空は淡いグレーに。
そこに、
大きな,それは大きな弧を描いて・・・草原に虹が出た。
彼女の背筋がリンと伸びた・・・ように見えた。

あの丘を越え、あの虹をくぐれば、そこにノーマン・ロックウェル美術館。
http://www.nrm.org/



スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

テッペン爺

Author:テッペン爺
昭和22年(1947年)
京都に生まれ、
芦屋に育ち、大阪を経て
現在は芦屋に在住。
身長178㎝ 体重75㎏
販促企画のプランナーとして
適度に活躍(?)して33年。
現在に至る。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。