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人「アメリカ人、異邦人、そして傍観者」

2002年夏、妻と娘を伴って久しぶりにニューヨークを訪れた。
今回の旅の目的地は―それは娘のたっての希望でもあるのだが―
ノーマン・ロックウェル美術館。

マサチューセッツ州にある美術館へは マンハッタン42丁目のバス・オーソリティから
4時間ほどの旅。しばらくフリーウェイを走ると、バスは一般国道へ。

ほぼ満席の車内はのっけからいやな雰囲気に包まれていた。
後部座席のひとりの中国人青年が、発車以後、延々と携帯電話で話しているのだ。
たまりかねた中年の男性―もちろんアメリカ人―に強くたしなめられ、ようやく電話を
切った。
そして、謝るでもなく、ぶすっとしたまま、今度は寝込んでしまった。フテ寝だ。
いくつかの町を過ぎた頃、この青年はガバと目覚め、辺りを見回し、わめきはじめた。
乗り過ごしたらしい。運転手はご親切にも、彼のために停留所でもないところに
バスを停めた。通路をかきわけるように降りてゆく青年。
彼の携帯電話が座席に転がっている。
心やさしき乗客たちは、それをリレーして彼のもとへ。
ひったくるように受け取った青年は「ありがとう」の一言も無く車外へ。

彼がこのバスを去って、車内の空気は一気に和んだ。
そして、良い事がおきはじめた。
まずは、素晴らしい景色のプレゼント。
通り過ぎて行く小さな町々は、まるでおもちゃの街のようにかわいい。
地元で生活している人もいるし、はるばるNYへ通うビジネスマンもいるらしい。
抑制感のある佇まいがとても美しい。
アンティークShopの小さな看板が一番目立っていた。

そして、こんどは素敵なシーンのプレゼント。
バスは、鉄道の小さな駅舎前の停留所に停まった。
そこには、少しばかり猫背のおじいさんがぽつねんと立っていた。
その横には古いピックアップトラックが停めてある。
NYからバスで帰って来た老妻を迎えに来たのだ。
降り立った奥さんを見て、おじいさんが口の端を少し上げた。
いやはや、なんとも。
ノーマン・ロックウェルの世界ではないか、これは。

それにしても。
さもありなんと思える、中国人青年の無礼な振る舞い、
それを、強くたしなめることができるアメリカ人、
そんな状況を、ただただ眺めているだけの私。
この構図の中で典型的な日本人を演じてしまった私は、ちと恥ずかしい。

そんな忸怩たる思いをよそに、バスは一路、マサチューセッツ州、
ストックブリッジへ。
その町の誇り、ノーマン・ロックウェル美術館へ。
http://www.nrm.org/



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プロフィール

テッペン爺

Author:テッペン爺
昭和22年(1947年)
京都に生まれ、
芦屋に育ち、大阪を経て
現在は芦屋に在住。
身長178㎝ 体重75㎏
販促企画のプランナーとして
適度に活躍(?)して33年。
現在に至る。

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